"Electropicalismo(2013)" MCビル風解説(2800字)
hikaru yamada and the librariansのライブ盤 "Electropicalismo" に封入されていたライナーノーツ、MCビル風による解説(2800字)を再掲します。 hikaru yamada and the librarians “ElecTropicalismo - Live at Mona-Records”解説 この度あなたのミュージック・ライブラリに加わることになったのは、hikaru yamada and the librariansのライブ盤“ElecTropicalismo -Live at the Mona-Records”です。 『あなたの心の中のライブラリを開放する!もしくはあなたのライブラリの中の心を開放する!』というパンチラインでもお馴染みのhikaru yamada and the librariansですが、あなたのライブラリはどこにありますか。 PCのハードディスクの中ですか。CD、レコードラックの中ですか。もちろん音楽に限りません。本棚。デスクの周り。自分の部屋。それとも、何年も書き続けている日記でしょうか。あるいは、心の中ですか。 蓄積された作品は、資料は、記録は、記憶は、タグをつけ、一定の法則に従って、陳列、保管されなければならない。でないと、後で必要な時にすぐに参照できないし、いずれ時の流れと共に霧散し、全てが無かった事になってしまうでしょう。 hikaru yamada and the librariansの中心人物であり、サックス奏者、ギター奏者、コンポーザー、プロデューサーである山田光のTwitterのアカウント(@yakamotilabely)のプロフィール欄には、「歴史家・アルトサックス奏者」との記載があるが(2013年12月現在)、この「歴史家」というのが山田光と彼の作る音楽についてひも解く上での、一つのキーワードである。「人柄だけじゃミュージックじゃなくて/ 人柄だけじゃミュージックって思わない」とs.l.a.c.k.もラップしているが、ポップミュージックを語る上では、音楽そのものだけでもそれはミュージックではない。山田光とはどのような男なのか。 山田光はアーカイバーである。自他問わず、様々なライブの場においてレコーダーを回し、その時...