2013年12月28日土曜日

2013年のもろもろ まとめ①

<ライブラリアンズ>
昨夜でライブラリアンズの今年のスケジュール終了しました。6月までほぼお休みしていてそこからCD出したりライブ誘ってもらったりして活動しました。全部で11本ライブしてました。来てくれた方々、CD買ってくれた方々ありがとうございました。一番ライブ来てくれたのはおそらくカホさんでしょう、来年記念品を進呈したいと思います。

<今年よく聴いた音楽>
なんとなく、レコメン・ヘンリーカウ周りの音楽に対して再熱した気がします。そんな中吉祥寺dzumiで立ち読みした竹田賢一の本でこのアルバムを知れてよかったです。

John Greaves & Peter Blegvad - Twenty-Two Proverbs



ヘンリーカウの詩情脱退組?二人によるアルバム。女性ボーカルが少しだけプログレ香ばしさあるけどとても良い。ドラムはなんとアンドリューシリル(セシルテイラーユニットの人)が叩いています。ロックで叩いてるのはこの盤だけとのこと。殺伐ポップス認定しました。

Maracatu Nunca Antes


今年はいろいろワールド熱が再発した年でもあった。辺境カリプソとか。(英語圏以外のカリブ海音楽ね。)ブラジル北東部にあるマラカトゥという音楽が好きなのですが、その話をドラムの荒井康太さんに話したらこのグループ教えてもらいました。カナダのグループ。ブラジルの本場モノより緻密なアンサンブルでCDをよく聴きました。それでマラカトゥの曲も自分で作ってしまいました。この曲収録した次のアルバムも春までには出したいな~。マラカトゥをサンプリングしてるっていうんでブラジル系のお店でも扱ってもらえないかしら。また壮絶な無視喰らいそうでそれも楽しみ。↓


ついでに書くけど、ライブラリアンズのCD、そうとういろんなところに持ち込んだけど全然ダメですね~。もう書くけどさ、三鷹おんがくのじかん、なんて店は『うちはCD屋じゃないので別のところ当たってください』だってさ。2回も出演してるのにな。女性シンガーソングライターを一生懸命応援してる全国のお店に死を!改めてjetsetの中村さん、モナレコードの行さん、Ftarriの鈴木さんには感謝します。上記の店ではありがたいことに好評で売れ続けているようです。

あとはモンチッチコンピも車に乗るたびにかけていた。http://www.amazon.co.jp/Monchhichi-Birthday-party-Various-Artists/dp/B00E3KOA7M
けっこう文句ない女子コンピでした。好き嫌いは別として、ジャンル名が先に浮かばない音楽のほうを応援したい気持ちがある。安いので買ってみたらいかがでしょうか。おすすめです。


友達だけどガウディーズはよく聴いたな。レコ発もほんと良かった。


今年はいろいろ『あたらしい日本のおんがく』勢(bounceではNU NEW MUSICという表記もあった)と絡みがあったりしたけど、彼らを見て思うのは自分は圧倒的にオールドウェーブだな、ということ。だって好きな音楽しか聴いてないもん。みんな文脈もない、好きでもない音楽取り入れすぎでしょ、って思う。無理すんな。大人に振り回されるな。レーベルに振り回されるな。web媒体に書いてる評論家なんて学生上がりで全然大したことないぞ。歴史の勉強をしろ。
七夕に書いた記事http://ekytropics.blogspot.jp/2013/07/20137.html 誤解されたかもしれないけど、俺もガウディーズ・はこモーフ・sacoyanと同じ側だよ。オールドウェーブだよ。好きな音楽聴いて好きな音楽を作る。人なんか見えていない。好きなものが多すぎるからいろいろできてるだけだ。あとアイディアね。そろそろ同年代で音楽辞めそうな人が出てきてる気がして怖い。

いろいろ友達や自分のCDが店頭に並んだからCD屋とかレビューとか雑誌とかチェックするここ半年になってしまったが身体に毒なのでほんとやめたい。ばかになる。じゃあね!(次回は今年観たライブについて書きます。)


2013年12月15日日曜日

HIKARU YAMADA AND THE LIBRARIANS - 『THE ROUGH GUIDE TO SAMPLIN' POP』全曲解説

突如思い立ったのでやってみようと思います。発売からもう少しで3か月、意外と売れてよかった!まだの人はこの解説読んで買ってみてください。

1. Divide, Rule and Love
 ライブラリアンズが出来てから2番目に作った曲だと思う。bookという単語がついてる曲からのみサンプリングした。Pere Ubu のThe Book Is On The Tableはすぐ思い浮かんだけど他は検索してみて初めて気づいた曲ばかり。Town and Countryのベーシスト、Josh Abramsにはあこがれる。シカゴのAACMで学び、The Rootsのオリジナルメンバーになって、その後シカゴ音響の中心に行くという経歴ヤバい。間奏はアーチ―シェップと南博のバース交換になってるので聴いてみてほしい。
 
 歌詞については。島田桃子さんに誘われてロロの『父母姉僕弟君』という舞台を観に行ったことをきっかけに書いた。
「詩人はあなたと私という二つの人格に自分を分割して書く・俺は自分と彼、彼女について書くが、その彼と彼女は3分の1しか考えというものを持っていない・劇作家は母、父、姉、私、兄、君について書くが父は有益なことを何一つ言えず、姉は何もおもしろいことを出来ない。私を分割統治してくれ」
劇作家はほんとの天才しかやっちゃいけないと思う。シェイクスピアとか。チェーホフとか。自分を分割してキャラクターを作ってるようじゃダメだ。詳細な人物設定をすればあとは勝手に人物たちが会話を始める、とはチェーホフの言葉。

2.Don't Throw Themselves Away
 ライブラリアンズ出来て最初に作った曲。あの頃はほんとに暗かった。せっかくロシアから帰ってきてやったのに誰からも演奏の誘いが無い…とか思ってた頃に書いた。
曲はこの曲を切り刻んで作っています。http://www.youtube.com/watch?v=cnIMEsCsSpc
声入りのものをサンプリングするのはけっこう難しい。ピッチを変えるとガラッと雰囲気が変わってしまうから。あとはデレクベイリーのサンプルも使ってます。これが水道橋Ftarriに置いてもらってる根拠(もちろん冗談)。
邦題は憑依を解くな。基本的にみんな物事を考えている気になっているだけでほんとはただ操られてるかなぞってるだけ、個人の意見なんていうものは幻影だと思っていて、そんな中で俺は頭を使って物事考えてると思っています。しかし、歌詞の始まりに訓練と規律、という言葉を無意識にも使ってしまったことを恥じています。みんな自分の言葉を使おう!

3.summer
 これはインスト。ジェットセットの方たちがしきりとFrench Impressionistsをサンプリングしてることに興奮していたのですが、実際使っているのはライブの拍手とMCの声の一部だけでちょっと申し訳ない。しかしそれが曲の根幹を支えているのでいいか。

4.It's Rainmaking Time!
 音源作ることを決めて急いで作った曲、の割には自分では一番気に入っている。彼女(ジャケの写真も撮ってくれた)からは評判が悪い(この曲はクールな女の子が好きな男の子にはウケそうだけどクールな女の子が好きな女の子は好きじゃないタイプ)とのこと。
曲はほぼDam-Funkのクズ曲を元にして作ったが元の曲よりはるかに良いと思う。ピッチを変えると表に出てくる帯域が変わったりして、原曲では聴こえなかったメロディが立ち上がってきたりすることがあるのでサンプリングは面白い。ギターのカッティングはMuという西海岸のサイケバンドから取ってきている。ビーフハートの初代ギタリストが在籍。ビーフハートに階段から突き落とされたあと辞めてこのバンドに参加したとのこと。
歌詞はアメリカで100年以上前に人工降雨を試みていたチャールズハットフィールドという人のwikipediaからサンプリングした。今調べて知ったのですが、英語の問題とかで使われてる逸話だそうですね。みんな覚えてないかもしれないけどこの曲作ったあと今年の夏は100年前とほぼ変わらない仕掛けの人工降雨が日本でも行われた。奇蹟は信じない。科学は信じる。

5.Song about two monopolies
 これは2年前のクリスマスにロシアで作ったライブラリアンズ計画の元になった曲。いろんなクリスマスソングをサンプリングしたらクリスマスソングが作れるんじゃないかと思ったのだった。ちゃんとロシアはペテルブルグのフリージャズトランぺッター、ヴャチェスラフ・ガイヴォロンスキーの曲も使っている。
歌詞は香辛料が専売になった、という話と好きな女の子が国営放送のキャスターになったのを外国から憂いている、というお話。こういう寓話は外国に住んでる時しか書けないなーと今になって思う。
出だしのチャーリーパーカーのソロがほんとにかっこいい。最初この曲は自分でサックス吹こうかと思っていたけど、パーカーがクリスマスに演奏したライブを思い出して貼りつけたらバッチリだった。サンプリングでループを切り出すというのは今までいろんな人が散々やってきたけどソロを持ってきて違うコードの上にそのまま貼る、というのは自分の発明だと思う。

6. Feel
 この曲はセシルマクビーというベーシストによるダラダラしたスピリチュアルジャズ(http://www.youtube.com/watch?v=TflsEPcAf2k)にビートをつけて整理した曲。たぶんCD化されていない。海外のアップロードサイトから落とした。手に入らないものはレコード会社の怠慢なのだからガンガンアップロードすればよい。と思う。

7. Candid/saint
 これは全然指摘されなかったけどエリックドルフィーの一番有名なセリフから歌詞もサンプリングしている。キャンディドドルフィーというキャンディドレーベルの編集盤をCandied Dolphy、だと思っていて砂糖漬けのドルフィーとは、糖尿病で死んだ人についてなかなかなことだと思っていた、ところから発想した。ドルフィー、チェットベイカー、ロンバートン(ローランドカークのバックでピアノ弾いてた人)の音を使っている。
 juke?ポストダブステップ?はなんとなくいろいろ聴いていて、もっと自由なフォーマットになるかと思ってたけどそうでも無かった。打ち込みのビートはそういう勘違いが反映されていると思う。あとボーカルの穴迫には普段何も指示とかボーカルディレクションとかしないのですが、これだけは黒人ぽく、ディスコっぽく?とか指示した気がする。


最後まで読んでくれてありがとうございました! CDの取り扱い情報などはこちらへ

2013年12月7日土曜日

12月のライブラリアンズと即興演奏

今月は二つライブがあります。ご予定合う日がありましたらぜひお越しください!

12月13日(金) 入江陽アルバム「水」発売記念ライブPart2〜下北沢編〜 
start 18:30 @下北沢モナレコード  
http://www.mona-records.com/live/2013/12/live_121318.php
【出演】 入江陽 / バラバラばんばん(柴田聡KとO島輝之) / hikaru yamada and the librarians

こちらは1stアルバムが各メディアで絶賛中の盟友、入江さんの企画です。現在制作中の2ndアルバムには僕も作曲などで参加する予定ですー


12月23日(月祝)MCビル風企画 "HOMEWORK vol.2" 
start18:30 予約¥1,500(+1d) @南池袋ミュージックオルグ 
出演:MCビル風 / MCKOMICKLINICK / VOLO / プンクボイ / hikaru yamada and the librarians / DJレコード水越 
http://mcbirukaze.blogspot.jp/2013/12/20131223-mc-presents-homework-vol2.html

こちらはマイメンMCビル風の企画です。周りはラッパーとパンクス!に囲まれてのライブです。超楽しみ!詳しくはビル風のブログへ。出演者紹介文がヤバイです。

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即興演奏のライブも2つあります。

12/14(土)廃病院パーティーVOL.2 @初台玉井病院 http://haibyouinparty2.wordpress.com/act/
2階即興ステージ出演者
・伊藤匠
・大島輝之
・康 勝栄
・山田光+黒澤勇人

廃病院パーティーというフェスの即興演奏ステージに出演します。おそらくyama yukiさんとのトリオになると思います。黒澤さんとは先月Ftarriでやった大蔵雅彦さんとのトリオもかなりよかったです。俺と大蔵さんが上で透明な響きを出してたので黒澤さんの存在感が今までより出て演奏も面白くできました。

☆<LIVE>松本崇史・山田光 ジャムセッション  
12月28日(土)open/start 17:00 ¥500+order 
企画-松本崇史(sax) 山田光(sax)  http://blog.livedoor.jp/flyingteapot/archives/cat_848644.html