2017年12月29日金曜日

今年のベスト② Solid Afro, ecke

Solid Afro & Dia de los Muertos "POSSE"

 

思い返すと私は2008年にSolid Afroを秋葉原グッドマンで観たことがありました(陶砂というバンドを観に行った時の対バンで)。名前が引っかかったのと1曲良い曲をやっていた気がしたのでホームページもチェックしましたね。その後2014年くらいのsoundcloudもよく聴いていて、(2ndアルバムは図書館で借りてしまいました)が今年久しぶりにライブを観に行ったら曲がほんとに良くてアルバムも発売日に買いました!

サックスをどうビートに取り込むか(オブリガード・ソロ回し以外で)という点で勉強になりました(2曲目のBLEND!)。あと音が良い(ミックス・マスタリング)。今年聴いたアルバムの中で音の良さということで印象に残っています。作曲・ボーカルをされている須藤さんとは好きな音楽もよく被っているのでお話ししてみたいし、来年対バンしたいですね。こんなに好きな音楽が被っているのに作る音楽が違うということ、私は歌詞カードのスペシャルサンクスに好きなバンド一覧は載せないし日曜日のライブのMCで明日はブルーマンデーだとは言わない、ことが関係しているかもしれません(?)



あとアルバム発売時にコメント書きます!と言いながら書けなくてすみませんでした。気の利いたこと書くのが本当に不得意なのでダメでした…。
Solid Afro+失敗しない生き方+パブリック娘。のこのアルバムはインディー工夫(くふう・もしくはこうふ)時代の美しい成果の一つでこういった2010年代前半の破れた夢の再編の流れは来年以降も続くでしょう…みたいなことを書く予定でした。(ちなみに2015年がインディー疲れの年とされている。それ以降がインディー工夫時代)




ecke - BYPATH


 

eckeは一昨年にライブを初めて観て感激したすぐあとに当時のボーカルの方が脱退されてしまい、その後ボーカルとキーボードを長い間募集されていたので自分と穴迫で加入したいなと思っていた時期もありました(募集要項にバンド活動を優先できる方と書いてあったので断念)。その後とても綺麗なボーカルの方が加入されてアルバムも出て嬉しかったです。
日本の所謂人力Jディラビート系バンドは全て付け焼き刃的で無理なのですが(特にジャズミュージシャンがやるやつ、とはいえ海外の流行りをすぐ取り入れて頑張るのは戦前から続く日本のジャズの伝統だと気付きもう許すことにした)、eckeはライブを初めて観た時からこのドラムの人は全然違うぞと感じていました。今年になってドラマーでリーダー・作曲の菅原さんと知り合ってからいろいろ話すとほんとにhip hop好きな人ですね。ずっとMPCでビートも作られていて。インタビューもしたのでまとめて来年公開します(マジで遅くてすみません!)
2015年にはすでにレーベルから誘いがあったらしいという話を訊き、たしかに2015年だったらタイミングドンピシャだったかもしれませんが、eckeの持つ(おそらく本人たちは気づいていない/気にくわない)90年代性は2017年とリンクしていました。
そっち側の人(?)にも聴いてもらいたいと思い、勝手に台車さん(inudogmask)にお願いして書いてもらった推薦コメントをここに公開します!(台車さん急いで書いてもらったのにどこにも出していなくてすみません!大土下座。) 出てくる固有名詞、全然わからないと思うけどぜひ検索してみてください。台車さんの文章好きなので誰かレギュラーの仕事を振ってほしい。

ecke『BYPATH』
inudogmaskという名前で、80年代後半から90年代のシティポップを求め、ブックオフの500円・280円コーナーを行脚する日々を過ごしている。バイパスの走る郊外の街に住んでいる。
eckeを初めて聴いたのはsouncloudの音源だった。あまりLikeしないのだけど珍しくすぐLikeボタンを押して、忘れないようにとTwitterもフォローした。

eckeの音楽について勝手な感想を述べるとすると、まず90年代や00年代のJ-POPの良さが随所に織り込まれているなというところ。
90年代当時、70年代のポップスを参照点を置いたバンドがあったように、今2010年代においても90年代のJ-POPの影響を感じられる。各年代のポップスを抽出して配置する中でも少なくともボーカルにはそれを感じる。それがあくまでもブラックミュージックの単なる模倣ではなくJ-POPになり得ている一因だろう。
バンドのサイトにはhiphopの影響と書いてあるのでそれはそれでそっちが本当だろうが、それにしてもリードトラックのACCESSに関しては90年代後半のバンドと並べてプレイリストに入れて流してもわからないのではないか。荒井由実/海を見ていた午後のカヴァーというチョイスもいかにもという感じだ。
聴いてみて頭に浮かんだのはEscalatorsやThe Chang、Platinum 900。00年代に入りari、Sillyなど、いずれもSoul〜R&B〜AORをルーツに持つ面々。(よくわからない具体例だろうけど)アーバンなポップスを志向しているeckeもその系譜だろうと感じた。

しかし上記のような音楽性だと言っても音を詰め込んだ感じは無くて、シンプルで風通し良いようにコントロールされている。そして現行バンドらしく、ネオソウルやhiphopを感じさせるリズムの揺らし方、クールネスを帯びたボーカルなどは、アップデートされた2017年の音楽だ。
ここ1〜2年、新しいシティポップと言われる音楽に対しては自分には関係無いよと高を括っていたが、eckeの音楽は自分の住む郊外の田舎の街にでも都市の気分を運んできてくれる。この夏、eckeを聴きながら走り抜けるバイパスはさぞ爽快なことだろう。

2017.08.22 inudogmask

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