ライブラリアンズ対談(鼎談?) 事前質問

 Q. 歴史上の曲で好きなスネアとキックが鳴ってる曲を教えてください

山田:Lio - Sage comme une image
Dinosaur L - In The Corn Belt https://youtu.be/leDS1wFwF-4?si=nQzpHFxoyurAQ4F- Shirley Collins & The Albion Country Band https://www.youtube.com/watch?v=JtdngCjk0ds
北川:藤本美貴 - 大切
https://youtu.be/VkbHy_H9tdo?si=uTfahW79Pix5NuqX すみません、あまり思いつきませんでした‥
諸星:23 skidoo 「the gospel comes to new guinea」 https://youtu.be/WtAbgHLOBqQ?si=wishGAxPJ_gbRyR8 Stevie Wonder「Too High」
Q. 山田さんと知り合いの(女性)ミュージシャンは相当いるはずなのですが、北川さんと何故意気投合したのか?
山田:2020年くらい?に北川さんにフォローされて、アイドルとブラックミュージック・ワールドミュージックに詳しい人だと感心してツイートをよく見ていた。 何度かスペースで音楽の話をしたような とある日の早朝に北川さんがスペースで一人で歌を歌っているときがあってその歌がとても良かったのでお誘いした(その時は松田聖子の曲を歌っていた気がする) 知り合いの女性ミュージシャンはたしかに何人もいるが、すでに別の人と活動している人に声をかけるのは遠慮している(自分の用語でそれを音楽的NTRと言っている) ライブラリアンズのボーカルを何年も探していて、募集のブログを書いた時もありR&Bとかジャズのセッションによく行ってるらしい女性からDMが来たりもしたけどディーバ系?の歌は好きじゃないので断った。北川さんに加入してもらえてほんとに良かったと思っている
北川:次の質問↓のきっかけで山田さんをフォローしてよくツイートを見ていました。個人的なやりとりは2022年に吉祥寺ハードオフ屋上で飲む会に誘っていただいたのが最初だった気がします。山田さんはすごい数フォローしているしリプでの交流?もそれほどない中で、音楽が好きな人として認識してくださっていたのかと思いました。 それ以降も何度かスペースで音楽の話をしたような 2023年に突然無題イベントに誘っていただき驚きました(私がスペースで一人で歌っているのを山田さんが聞いていた記憶がないので)。山田さんの音楽が好きでしたしちょうど目的なくオーボエを再開した時期だったので、音楽活動的なことはしていませんでしたがぜひやってみたいと喜んでお受けしました。 オーボエや鍵盤楽器はちょろっとやっていましたが歌は人前で披露した経験がなく英語の発音もめちゃくちゃでかなり不安な中、初めて合わせた数日後にすぐライブラリアンズにお誘いいただいたので、相変わらず自信はあまりありませんが気に入っていただけてよかった…と思っています。
Q. ↑に関連して、北川さんが山田を認識したきっかけって何ですか?元々は北川さんの方から何年か前にフォローされた記憶がある(鍵アカだし)
北川:時期は曖昧なのですが、2017〜19年くらい?2020より前だったと思います。Especiaなど地下アイドルの話題に触れているミュージシャンの方、というような認識で、何かのワードのパブサか、フォローしているアカウントの関連でおすすめ表示されたのがきっかけでフォローしました。@azuzziのアカウントで@mori_de_kurasuさん、@beeffantasyさんあたりと同時にフォローした記憶があります。鍵アカだし一方的に見るつもりでフォローしたのですがフォローバックしてくださって驚きました。@nsiinuにアカウントを移動?してからも相互フォローで、それからスペースでお話するようになった気がします。全部曖昧…
Q. 北川さんはオーボエをいつから何年やってるのか
北川:中高合わせて約4年、吹奏楽部で吹いていました。ファゴットを希望していましたが人数の都合で叶わず、同じダブルリードということで勧められて選んだ記憶があります。バンド内の役割がファゴットとは全く違い主旋律ばかりでつまらないと思いつつ、だんだん好きになり高校に進学しても続けました。 学校の備品を使っていたので高校卒業以降は吹く機会がなかったのですが、数年前久々に触りたくなり楽器をレンタルしたところ、ちょうど山田さんにお声掛けいただいて活用できる機会が続いています。
Q. 北川さんはどうしてモジュラーシンセ買ったのか
北川:KORGのmonotronやminilogueを触ってアナログシンセサイザーの仕組みをぼんやり理解し始めたもののモジュラーシンセの知識はほぼないまま、Teenage EngineeringのPO-400がキャッシュバック含め半額近いセールになっているのを見つけ、工作目的で衝動的に買いました。
Q. 音楽雑誌(音楽批評全般)がどう見えてる/見えていたのか(あるいはそもそも興味の対象外だったのか)は聞いてみたいですね。ハロプロってゼロ年代の音楽雑誌では無条件にボコボコに叩いていい存在だったので、やはりハロプロファンは頭に来てたと思うんです。単に音楽誌なんて読んでなかったかもしれませんが
北川:中高生の頃(2006〜11)知らないアーティスト名を覚えて後々視聴するためにROCKIN'ON JAPANとかsnoozerを見たことはありますが、音楽雑誌をきちんと読んだことがないです。そもそもハロプロに興味を持ったのが2012年頃と遅いのですが、自分が読んだことのあるようなロックバンドを扱う音楽雑誌では多分触れられていないですよね。ゼロ年代のハロプロがボコボコ叩かれている文章、読んでみたいです。 音楽批評で突然思い出しましたが、大学時代に椹木野衣がなぜかロック史を解説する講義をとっていて、美術評論家が音楽概論的講義をやるの不思議だなとぼんやり思っていたのですが、「シミュレーショニズム—ハウスミュージックと盗用芸術」という批評集を書いていたと最近知ったので読んでみようと思います
Q. ハロプロはサブスクもだんだん解禁されているので、今聴いてもグッと来るハロプロ楽曲、あるいはハロプロ関係の作曲家、作詞家
山田:Shusui、Erik Lidbomらを中心としたスウェーデン人コライトチームに注目している
北川:河野伸編曲で好きなものが多いのですが、最近のサブスク解禁がきっかけで『気まぐれ』(後藤真希)という曲を新たに知りいいなと思いました。
Q. 最近のK-Popをどう思っているのか
山田:今ライブラリアンズとは別のプロジェクトでk-popやろうと思っていて最近たくさん聴いています。 spliceというクリアランス取れたサンプルをそのまま使って作られてるジャンクな曲が多いことを知り、そういうのばっかり聴いている。 あとk-popファンからは不評なことも多い日本市場向けのjapanese ver.もよく聴いている。どれだけ日本語のニュアンスやアクセントを壊せるかというところに興味がある。 諸星さんはkpopについてどう思いますか
北川:2019〜2022にTLで知り合った15年くらいKPOPを追っている人達から、業界の構造とか私が興味を持ったグループ達がいかに売れない小規模な事務所でどんな経営計画でいつ解散しそうか‥いろいろ怖いことを教えてもらい、今のところ大体のグループが言われていた通りの流れを辿っていて暗い気持ちになります 音楽ではありませんが、韓国は日本より印刷コストが安いらしくCDのパッケージデザインが価格を抑えつつ豪華(特殊印刷を多用した函、規格外サイズでページによって紙質を使い分けている写真集、ステッカーやポストカードなどあらゆる同梱物が入って3800円とか)で、時々曲や人物に興味のないグループのパッケージを買います。よく見るとクオリティがお粗末な部分もあるのですが、大味でも許容されてやりすぎなくらい要素を盛れるのが楽しそうで少し羨ましいです。 aespaのAcid Graphicsとかがそうですが、デザインの流行を2年くらい遅れて人気なグループが取り入れ他のグループが一斉に続く‥みたいな流れを見ると、映像や音楽やコレオもそうなんだろうなと思います。
諸星:僕も山田さんにspliceとK-Popの動画を教えてもらって見たんですけれども、KLFとかflying Lizardsみたいなというか「楽して取るぜ、チャートの1位!」みたいなものを感じたんです(作ってる人たちにそういうシニシズムはないと思いますが)。 ただ韓国芸能界のゴシップとかを散々目にすると、ある程度の年長者としてK-Pop文化全体を無邪気に称揚は出来ないというか、正直韓国旅行に行くみたいなハマリ方をする人(特に年長者)はわからないんですね。ただ"わからない"というのはそれだけ新しい文化なのでしょう。 また音楽の話ではないですが、はっきり言ってソフィア・コッポラの映画にオマージュをささげたミュージックビデオとか見ていると黒沢清に乃木坂のミュージックビデオ撮らせた秋元康の方がよほど文化的というような揶揄をしたくなる側面もあります。
Q. インディー映画、自主制作の映画について、特に邦画において、テーマや描いていることが自分の周囲何メートルかの範囲の人間関係のことに終始していまいがちな印象があります。(全然観ていないのでイメージで語っています) で、私の音楽も全部自主制作なのですが、思い上がりかもしれないが半径何メートルの範囲について語ってる音楽では無いと思っています。そういう、自主制作でありながらもパースペクティブが広い映画のオススメってありますか?
諸星:条件付きではありますが、立教大学の大学院の卒業制作として制作された中川奈月『彼女はひとり』は狭い人間関係のゴールを恋愛に求めなかった点と撮影のすばらしさもあって近年では出色だと思います。 邦画というくくりを外すとリチャード・リンクレイター『Slacker』ですが、英語字幕付きの海外盤のBlu-rayはあっても日本では権利関係でソフト化ができないので気軽におすすめとはいえないのが残念です。
Q. (知り合いが関わっていたりする関係で)インディー邦画を見ているときに、「自分は映画詳しくないのでわからないけどおそらくこの構図やカット割りは何かのオマージュなんだろうな」という場面に何度か出くわしたことがあります。そしてそれが特に意味もなく効果も無いとめちゃ引いてしまいます。 私の音楽は思わせぶりな引用とか目配せ的なオマージュは無いつもりですが、マニアックなこだわりは当然ある。リスナーは同じように引いてしまうことはあるだろうか...?
北川:全然違う話だと思いますがハロプロの大ネタパロディ、ロック好きのハロメンやハロオタが楽しんでいます。思わせぶりな引用や目配せ的なオマージュも私が気付いていないだけあるんでしょうか。10年ほど前までラップ調パートのある曲はU.M.E.D.Yというラッパー(2017年に亡くなりました)がよく関わっていて、シュガーヒルギャングの引用とかがありました。
諸星:インディ映画に出てくる過去の映画のオマージュは音楽におけるマニアックなこだわりというより、 どちらかというと大味な大ネタのサンプリング(の中でもあまり効果的には思えないもの)に近いんじゃないでしょうか。 何故かカニエがCANの「Sing Swan Song」をサンプリングしているけど、特に効果的でもないなみたいな。
Q. ワールド系の新譜とか再発とかを北川さんがよく聴いてる(聴いてた)イメージがあるのですが、自分のTLの人たちと全然違うチョイスな気がしていて、どこから音楽の情報を得ていたのか気になります
北川:独自のルートで深堀とかではなく、なんとなくTLを眺めて情報を得ていたと思います‥TLで見かけたアルバムのレーベルを見て他のを聴くとか、ディスクユニオンラテンブラジル館を見るかくらいです。
Q. to 北川さん 大学の学科はなんですか? 美大だとアーティストを目指すのかインダストリアルデザイン(?)を目指すのかで進路がどこかの時点で別れるのでしょうか?その割合など訊きたいです。
北川:プロダクトデザイン専攻で、立体物のデザインを学んでいました。元々グラフィックも好きだったので在学中にそういう方向へ変わって、卒業後はグラフィックデザインの仕事をしています。 多分美術やデザイン以外の専門分野とあまり変わらないと思うのですが、プロダクトデザインを専攻した人がファインアートを学ぶか企業のインハウスデザイナーを目指すかは、どの大学を受験するかでまず大枠が分かれていた気がします。私が知っている年代の印象ですが、車や家電や工芸など好きな物がはっきりしていて目指したい業界がある人は武蔵美多摩美金美、プロダクトに限らずグラフィックやメディア系やファインアートなどジャンルを跨いで制作したい人は東京藝大、美大受験に特化したデッサンの勉強は不要だけど一般科目の成績が高くないと目指せない千葉大工学部の意匠学科、みたいな感じです。 私の通っていた所は車バイクカメラとかプロダクトデザイナーのメインストリーム?な道をゆきたい人にとって良い環境で、そういう人が入る研究室の課題は、早いうちから目指す大企業に寄せた作品を制作してポートフォリオを用意しているように見えました。プロダクトデザイナーだけでなく総合職の分野でデザイン思考(…)をもって活躍できる人を育てよう的なカリキュラムの研究室もあり、私はそこにいました。進路はいろいろですが、就職7起業やフリーランス2進学1くらいの割合だったと思います。

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